フランス、怒りの蜂起とバリケード

「パリでこんな光景は見たことがない」。10月17日、フランス全土で高校生運動にさまざまな社会の怒りが合流し、主催者発表80万人が街頭に出た。パリでは公式のデモとは別に自発的に大統領の住まい・エリゼ宮を目指す群衆が中心部に押し寄せ、高級ブティック街にまでバリケードと催涙ガスが広がった。厳重な警備にもかかわらず、なぜこれほど「統制不能」になったのか? 朝から晩までパリを歩き回った現地からの報告。
森野咲 2026.10.18
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「パリでこんな光景は見たことがない」。10月17日、多くの人が口を揃えてそう言っていた。街のあちこちで燃え上がる自転車やゴミ箱、道路を塞ぐバリケード、そして複数の非公式のデモ行進。パリの中心部、それも高級ブティックが立ち並ぶ一等地で、これほど多くのバリケードやデモ参加者を見たことがない。黄色いベスト運動の最盛期や2023年の年金改革反対運動に匹敵する、あるいはそれ以上に、社会の怒りが噴き出した一日だった。この日のデモ参加者数は、主催者発表で80万人、内務省発表で55万人。パリだけでも11万人が参加した。9月から続く高校生運動に、さまざまな社会の怒りが「合流」した、フランスの歴史的な蜂起の日となった。

「革命の日」になると言われていた10月17日

もともと10月17日は、燃料価格や生活費の高騰への不満を背景に、黄色いベスト運動の再来を呼びかける日としてSNS上で広まっていた。そこに加わったのが、9月半ばから続く高校生の運動である。大学生や教員、労働者、医療従事者、農民、そしてかつて黄色いベスト運動に参加した人々も、次々と連帯を表明するようになった。いつからか、「17日は革命の日になる」と言われるようになっていた。高校生たちが始めた運動が、ついに社会全体を巻き込むのではないか。そんな期待が日に日に高まっていた。

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